硬質発泡体ロハセル®/ロハフォーム

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ロハセル®

コンポジットコア材のロハセル®

ポリプラ・エボニックが取り扱うロハセル®は、当社親会社であるエボニック社が製造するポリメタクリルイミド(PMI)の硬質発泡体です。 ロハセル®は発泡スチロールのような見た目ですが、高い耐熱性、機械強度、優れた耐疲労性などを有し、軽量化に貢献する優れたコンポジット用コア材です。

シート形状のロハセル®

ロハセル®は図1の通り、繊維強化された樹脂のスキン材や金属箔などに挟まれるサンドイッチ構造のコア材として使用されます。ロハセル®単独で使用されることはほとんどありません。

図1

高い耐熱性と独立気泡による高い比強度、軽量化に貢献するロハセル®

ロハセル®の最大の特徴は高い耐熱性です。この耐熱性により表面のスキン材を固める熱硬化性マトリックス樹脂の硬化時間を短縮することができ、様々な熱硬化性マトリックス樹脂の使用が可能となります。また、硬質発泡体のロハセル®は100%独立気泡で、等方性の性能を有します。そのため、他の発泡材と比べて、比強度に優れているため、より小さい密度のグレードを使用でき、軽量化に貢献できます。

また、ロハセル®は100%独立気泡のため、熱硬化性マトリックス樹脂がロハセル®内部まで含侵せず、表面付近に留まるため、コンポジットの軽量化が実現できます。

加工性に優れ、デザイン自由度が高いロハセル®

ロハセル®は容易に加工できるのも特長の1つです。熱成形、プログラミングによるNC加工などを用いることで、複雑な3次元形状なども出来るため、デザインの自由度があります。
その他にも、ロハセル®はラインナップが充実しているため、密度・セルサイズ・機械的物性が最適なグレードを選択することにより、コンポジット部品製造工法、部品の物性の最適化が可能です。

ロハセル® グレード一覧

エボニックのPMI(ポリメタクリルイミド)の硬質発泡体 ロハセル®は、自動車、航空宇宙、メディカルなどの様々な分野に、高性能なコンポジット材として多く使用されています。ロハセル®は、優れた耐熱性と非常に低い密度にも関わらず、高い機械的強度を兼ね備えています。特に、他の硬質発泡体と異なり、高い熱変形温度と圧縮強度が特長です。また、一部グレードは熱処理によって、これらの特性をさらに高めることができます。さらに、ロハセル®は独立気泡のため、表面の露出した切断気泡内にのみマトリックス樹脂を取り込むことが出来ます。そのため、樹脂内に余分にマトリックス樹脂が浸透しないため、不必要な重量増加するのを防ぐと同時に、真空固定による 加工性にも貢献します。それ以外にも ロハセル®は複雑な形状の熱成形も出来ます。
以下にリストされている製品をクリックすると物性表を確認出来ます。ご不明な点等がございましたら、当社 担当営業までにお問い合わせください。

グレード名 特性 セルのサイズ 密度 最大
キュア温度
使用可能な分野
ロハセル® 31IG-F 標準グレード 低密度 130℃ 自動車、一般工業、スポーツ&ライフスタイル、メディカル
ロハセル® 51IG-F 中密度
ロハセル® 71IG-F
ロハセル® 110IG-F 高密度
ロハセル® 71SL 高耐熱、高圧縮強度、高い破断伸度 中密度 130℃ 自動車、一般工業、スポーツ&ライフスタイル
ロハセル® 110SL 高密度
ロハセル® 200SL
ロハセル® 51HERO 高耐熱、高圧縮強度、高い破断伸度、耐傷性、航空宇宙向けの構造部品用グレード 中密度 * 180℃ 航空宇宙
ロハセル® 71HERO
ロハセル® 110HERO 高密度
ロハセル® 200HERO
ロハセル® 51WF 高耐熱、高圧縮強度、セルのサイズ大 中密度 130℃ ** 自動車、航空宇宙、一般工業
ロハセル® 71WF
ロハセル® 110WF 高密度
ロハセル® 200WF
ロハセル® 51RIMA 高耐熱、高圧縮強度、セルのサイズ小 中密度 130℃ 自動車、航空宇宙、一般工業、スポーツ&ライフスタイル
ロハセル® 71RIMA
ロハセル® 110RIMA 高密度
ロハセル® 71XT 高耐熱、高圧縮強度、セルのサイズ大 中密度 180℃ 自動車、航空宇宙、一般工業
ロハセル® 110XT 高密度
ロハセル® 51S 優れた耐火性、自己消化性 中密度 130℃ 航空宇宙、鉄道、造船
ロハセル® 71S 高密度
ロハセル® 110S
ロハセル® 31HF 高い誘電性 小密度 130℃ 航空宇宙、一般工業、メディカル
ロハセル® 51HF 中密度
ロハセル® 71HF

* HEROは熱処理グレードです。
** 71WF、110WFは自動車、一般工業用途の使用には適しません。

航空宇宙、自動車分野でも使用されている高機能なロハセル®

高い機能性をもつ硬質発泡体のロハセル®は自動車をはじめ、航空宇宙などの幅広い分野で使用されています。他にもどのような分野、用途で、どのように使用されているかは以下より確認出来ます。

ロハフォーム(ROHAFORM®)航空機内装用の革新的なソリューション

炎(Flame)が出ない、煙(Smoke)が出ない、毒性ガス(Toxicity)を発生しない
全く新しい航空機内装向けコンポジット部品用コア材ロハフォーム

航空機の部材には、⽶国のFederal Aviation Administration(航空宇宙局/FAA)が定めた規則であるFAR 25.853※1に基づき、⽤途に応じた燃焼試験FST(Flammability難燃/Smoke発煙/Toxicity毒性)が要求されます。この規則は北⽶以外の地域でもそのまま採り⼊れられているため、航空機業界でのビジネスにおいては、⽇本を含め世界中で避けて通れない要求事項となっています。その上で、航空機は燃料消費を抑える、排出CO2を削減するため、機体は十分な強度を持たせながらできるだけ軽量化することが求められています。

機内にはファースト、ビジネス、プレミアム、エコノミーの座席、ギャレー(食事準備の場所)やラバトリー(洗面所)、機内の荷物入れ(オーバーヘッドビン)、機内壁、窓ガラスとその枠組みなど、多くの金属及びプラスチックで作られた部品が備え付けられている。機内で使用可能な材料は、FSTすなわち仮に材料に着火しても、すぐに鎮火し、炎(Flame)が出ない、煙(Smoke)が出ない、毒性ガス(Toxicity)を発生しないという点が非常に重要です。なぜなら空中では搭乗客は逃げ場がないからです。

昨今の機体ではカーボンコンポジットの使用が増えてきています。そして機内の設備での軽量化も大きなテーマの一つです。軽量化には軽量高剛性なコンポジットや、コア材をカーボン繊維やガラス繊維の布地で挟んだサンドイッチ構造がよく使われています。

※1:FAA(Federal Aviation Administration:アメリカ連邦航空局)により発行されたCFR(Code of Federal Regulations:連邦規則集)のタイトル14の一部であるFAR(Federal Aviation Regulation)

ロハフォーム(ROHAFORM® FST)の特徴

FST規格に対応する 難燃コンポジット用硬質発泡体 ROHAFORM® FSTは、航空機内装素材に求められるFST規格に合致しています。

また、コンポジット化により 部品重量を軽量化し燃費・電費の向上に寄与するだけでなく、 微発泡粒子を金型内で発泡させた「コア材成形部品」で提供可能なため生産の効率化を実現します。

硬質発泡体 ロハセル®の用途例