プレスリリース

PEEK樹脂ベスタキープⓇのギヤ、エンジンのマスバランスユニットに採用

2022年02月28日

  • PEEK樹脂ベスタキープ®は、マスバランスユニットギヤの歯先部分に採用されています。

※ダイセル・エボニックはエボニック スマートマテリアルズのPEEK樹脂事業の日本販売元としてエボニック スマートマテリアルズからのリリースの和訳をお届けいたします。

(以下、2022年1月25日発表文書の和訳)

 

この用途における、熱可塑性樹脂は初採用

130℃のエンジンオイル浸漬下まで使用可能

金属製ギヤに比べノイズを低減

 

 PEEK樹脂ベスタキープⓇ製のギヤが、初めてエンジン内部のマスバランスユニットに採用されました。エボニック社は金属ギヤの代替として、過酷な環境で非常に優れた摺動特性と、高い耐久性を持つPEEKコンパウンド(ポリエーテルエーテルケトン)を開発しました。このユニットは、IMS Gear SE & Co KGaAによって製造され、メルセデス・ベンツの様々なモデルに採用されています。

 マスバランスユニットは、ピストンによる振動を低減し、快適な運転環境を実現します。このユニット内のギヤはエンジンオイルに浸漬し、最高130 ℃の温度にさらされるため、今までこの環境下では金属ギヤしか使用できませんでした。

 

摩擦の低減、省燃費、コストの削減

 ベスタキープ®PEEK 5000 Gは、高い機械物性、振動減衰や優れた摺動特性を有しているため、金属ギヤの代替に最適な材料の一つであり、金属ギヤと比較してより高い静粛性、省燃費を実現します。また、ベスタキープ®PEEK製ギヤは射出成形で製造できるため、研磨などの二次加工を必要とする金属ギヤと比較して、大きなコストダウンが可能です。

 エボニック社はギヤの実装試験設備を用いて、顧客の開発活動をサポートします。「PEEK樹脂で作られたギヤ設計を最適化するため、開発案件毎に個別の材料データを提供することができます」と、エボニックのハイパフォーマンスポリマー トライボロジー部門の責任者であるフィリップ・キリアンは述べ、また「ドライ環境とウェット環境の双方において、-20°Cから260°Cまでの温度範囲でテストすることが可能です。」と強みを説明しています。

 エボニックのベスタキープⓇのトランスポーテーション分野を担当するDr.ステフェン・カンツラーは、マスバランスユニットの過酷な環境下における高機能樹脂の使用は、材料の新たなサクセスストーリーであると考え、「我々はベスタキープ®の優れた特性を実証しています。当社はお客様の新規開発に適した開発パートナーとして、その他の用途開発にも取り組んでいます。アプリケーション技術チームによる材料選定、およびコンピュータ支援シミュレーションなどの適切なサポートを提供しています。」と述べています。

 ベスタキープ®PEEKは高い耐熱性、耐薬品性、強靭性により、金属部品を代替して、様々な軽量化を実現します。エボニックは、高機能樹脂の開発と生産に50年以上の経験があります。幅広い製品ポートフォリオには、ほぼすべての産業用途向けのソリューションが含まれています。

 

※ベスタキープⓇはエボニック オペレーションズGmbHの登録商標であり日本販売元はダイセル・エボニック株式会社です。

 

エボニック インダストリーズについて

エボニックは、100ヵ国以上で事業を展開するスペシャルティケミカルの世界的リーダーの1つです。2020年度は、122億ユーロの売上、19.1億ユーロの営業利益(調整後EBITDA)を計上しました。 革新的で収益性の高い持続可能なソリューションをお客様に提案するために、私たちは化学のその先を目指します。「毎日の暮らしを豊かに」という同じ目的のもと、33,000人以上の社員が働いています

 

 

スマートマテリアルズについて

スマートマテリアルズ部門は、省資源ソリューションを実現し、従来のものに代わる革新的なマテリアルに関するビジネスで構成されます。環境、エネルギー効率、都市化、モビリティ、健康など、私たちが直面する課題にソリューションを提供します。2020年度は、32.4億ユーロの売上を計上し、約7,900人の社員が働いています。当部門は、エボニック オペレーションズGmbHの一部です

 

 

ダイセル・エボニックについて

ダイセル・エボニックはエボニック ジャパン株式会社と株式会社ダイセルの合弁会社として1970年に設立され、ナイロン12樹脂、透明ナイロンなどの優れた機能性樹脂を創出してきました。近年では、C8&C12脂環式化合物、PMMA樹脂、超耐熱性樹脂・PEEKなど、取り扱う製品バリエーションも充実しています。より付加価値の高い製品をお客様にお届けするために、常に新しい視点とアイデアで品質向上とサービス体制の強化に努めています。2021年12月に株式会社ダイセルはその株式持分を完全子会社であるポリプラスチックス株式会社に移転しました。それにともなってダイセル・エボニックは、2022年4月1日より「ポリプラ・エボニック株式会社」へと社名を変更します。

 

 

免責事項

このプレスリリースに記載されている見通しや期待、または将来の予測に関する記述は、既知または未知のリスクと不確実性を含む可能性があります。実際の結果や発展は事業環境の変化により異なる場合があります。エボニック インダストリーズ AG及びダイセル・エボニック株式会社はこのリリースに含まれる見通し、期待、記述に関して、更新の義務を負いません。