プレスリリース

エボニック、VOC回収可能な分離膜を開発

2020年11月24日

  • エボニックは、揮発性有機化合物(VOC)の分離のための膜技術を開発し、製品名PuraMemVOCでこれを市場に投入しています。
  • PuraMemVOCは耐久性ある高分子膜技術を用い、過酷な使用条件下で長期間にわたって一貫して高い性能を維持する事を特徴としています。
  • 直径8インチは分離膜の標準的サイズであり、フレキシブルガスケットまたは一体型のKwik-Flangeアダプタにより、既存のシステム設備へのPuraMemVOC膜の導入あるいは交換が容易になります。

※ダイセル・エボニックはエボニック スマートマテリアルズの高機能ポリアミド事業(ポリアミド12関連及び透明樹脂、バイオベース樹脂製品)及びメンブレン事業の日本販売元としてリリースの和訳をお届けいたします。(以下、2020年9月16日発表文書の和訳)

 

エボニックは高性能な分離膜を以って、ガス分離と有機溶媒ナノろ過の事業を拡大していきます。揮発性有機化合物(VOC)を分離する膜技術を開発し、PuraMemVOC(プラメムVOC)という商品名で上市しています。

PuraMemVOC膜を用いて、エボニックは天然ガスまたは窒素混合物から、長鎖状の炭化水素系ガスを効率的に分離する革新的な高分子膜技術が提供可能となります。

製品形態であるスパイラル型の膜モジュールは、天然ガスの前処理、石油貯蔵施設、化学およびプロセス産業での排出制御などの特殊なアプリケーション向けに最適化されています。それは過酷な環境下でも、長期間にわたって一貫して高い性能をキープ出来る事を特徴としています。

新しい膜技術は、物質の異なる分子サイズに基づいて分離される事で機能します。混合ガスは、最大8MPaの圧力で膜へ流れます。 分子サイズの大きいVOCは膜を透過し、分子サイズの小さいガスは非透過側に分離されていきます。エボニックは、このキーとなる分離特性、ガス選択性を既にポリマーの合成レベルで調整することができます。

 

全て自社内で完結する一貫生産体制

エボニックは、高性能な分離膜を自社内で一貫生産して完結できる、世界でも稀な製造会社です。「一貫生産体制は重要なイノベーションドライバーです」とエボニックのメンブレン事業の責任者であるDr. Goetz Baumgarten博士は強調します。「ポリマー化学における長年の専門知識のおかげで、素材-私たちの高機能樹脂-の開発段階ですでに膜の特性を調整することができ、極度の圧力と温度に耐えられる高性能かつ高耐久性の膜を作る事が出来ます 」

PuraMemVOC膜のデザインは、既存の設備やインフラに柔軟に組み込むことができるように特別に考えられています。直径8インチは分離膜の標準的サイズであり、フレキシブルガスケットまたは一体型のKwik-Flangeアダプタにより、既存のシステム設備へのPuraMemVOC膜の導入あるいは交換が容易になります。

 

 

膜技術の革新的リーダーへ

「PuraMemVOC膜の市場投入により、揮発性物質および流体における膜分離技術のイノベーションドライバーとしての地位が強化されます。エボニックの創造力により、我々は10年内に膜技術の重要なグローバルプレーヤーになりました。膜の種類が増え続けることで、単一ソースから新しい製品の相乗効果をお客様に提供できるようになりました」と、エボニックのファイバー/フォームズ&メンブレン部門の責任者であるDr.ヨルダネス・サボポウロスは述べています。エボニックは、2011年に最初の膜製品ーバイオガスを効率的に精製する「セプラングリーン」を販売開始し、今後の膜事業の基盤を築きました。これに続いて、窒素、ヘリウム、水素、天然ガス、およびナノろ過用の膜製品が追加されました。メンブレン(膜)は現在、世界中で500以上のシステム設備で使用されており、オーストリアのシェルフリングにあるエボニックの工場で生産されています。高機能樹脂ベースの材料は、隣接するレンツィングにおいて製造されています。