プレスリリース

ダイセル・エボニックのダイアミド 、トロガミド、熱可塑性プリプレグを用いたハイブリッド成形材に採用

2020年11月10日

  • 非強化樹脂に比べ、特殊ガラス繊維で強化したプリプレグは、弾性率が約10倍に強化され、破断点応力も3倍以上強度がアップ
  • トロガミド 、ダイアミドをマトリックスとした構造材(試験片)

- 量産可能、製造コストを抑制

- ダイアミド、高い弾性によるスポーツ用途への展開も視野に

- トロガミド、多種多様な着色が可能で意匠性を向上

 

ダイセル・エボニック株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:金井 産(かない ただし))のポリアミド12樹脂「ダイアミド*1」及び透明微結晶樹脂「トロガミド*2」が、株式会社八木熊(やぎくま)(本社:福井県福井市、代表取締役社長:八木 信二郎(やぎ しんじろう))の連続繊維(炭素繊維/ガラス繊維)を用いたハイブリッド成形の射出樹脂として採用されました。 

八木熊が開発した熱可塑性プリプレグと射出成形法とのハイブリッド成形は、熱可塑性プリプレグ材を射出成型金型にインサートし充填成形します。この製法は、PPから高耐熱樹脂までのあらゆる熱可塑性樹脂をマトリックス材として使用可能にしている国内唯一の量産前提の技術です。 従来の熱可塑性コンポジット法と比較して、短時間で製造が可能な射出成形法とプリプレグ材とをハイブリッド化することにより、生産性を画期的に向上させ、コスト低減を実現します。さらに一般的な短繊維補強材では得られない高い強度が必要とされる部位に付与することも可能になり、強度設計の自由度を向上させます。

ダイアミドは構造材に靭性を付加するため、高い弾性を必要とする部材に適し、低融点であることで製造スピードにも寄与します。 靭性が要求される分野、例えばスポーツ用途などへの展開も視野に入れています。 

トロガミドをマトリックス材とした構造材は、トロガミドの持つ透明性と容易な着色性によりデザイン性に優れ、加えて耐薬品性を持ち合わせます。トロガミドは「魅せるプリプレグ」としての新たな分野の開拓を目指しています。

金属代替を可能とする熱可塑性コンポジットと生産性の高い射出成形法とのコラボレーションで確立されたこの技術により、新しい可能性へと挑戦し、お客様の真のニーズにお応えすべく邁進してまいります。

 


*1  ダイアミドは、ダイセル・エボニックの登録商標です。 

*2  トロガミドは、エボニック インダストリーズ社の登録商標です。日本販売元はダイセル・エボニックです。