プレスリリース

リンデとエボニックはガス分離膜の分野で連携を強化

2016年10月14日

  • 写真説明:カナダのマンコタにあるヘリウム精製施設の一部(膜)を示しています(提供:リンデグループ)
  • 写真説明:カナダのマンコタにあるリンデが設計したヘリウム精製施設とお客様への出荷のためのヘリウムチューブトレーラー(右)です (提供:リンデグループ)

 リンデグループとエボニック インダストリーズは、9月30日にシェルフリング(オーストリア)で開催されたエボニックのメンブレン生産工場拡張のための起工式において、メンブレンのガス分離膜の分野で連携を強化する構想を発表しました。

 提携の核心は、エボニックのポリマーベースの分離膜技術です。この技術は、リンデのエンジニアリング部門のガス分離および精製プラントで使用されることになり、リンデはすべてのガス分離プロセスを一企業内の製品ポートフォリオへの統合を完成します。エボニックのセプラン®膜は、より高いガス選択性や高い生産性により、混合ガスからメタン、窒素、ヘリウム、および水素などのガスを高純度の形で効率的に分離します。

 リンデのエンジニアリング部門である吸着および膜プラント製品ラインの最高幹部トビアス・ケラーは「エボニックの高いガス選択性を誇る分離膜と、世界一流の吸着技術に代表される当社の他の確立されたガス分離技術が一体化することで、当社は、より効率的な新規の精製プロセスに関して非常に柔軟に展開・応用できるようになります。これにより、我々はプラントのライフサイクル全体にわたるガス分離技術のリーディングカンパニーとしての地位を強化しつつあります」と述べています。

 エボニックのファイバー・メンブレン&スペシャリティプロダクトラインのアクセル・コブスは「両社の提携から生じる相乗効果は明らかです。私たちのポリマーと技術に関する多くの専門知識を強力で広範な膜製品ポートフォリオへ変換することにより、プラントエンジニアリングとガス分離におけるリンデの高い専門知識を完璧なものにします。この提携は、ガス分離の新たな市場を共同開発するための理想的な状況をもたらします」と述べています。

 エボニックとリンデの提携は、今年の8月に立ち上げられ、すでにマンコタ(カナダ)のヘリウム精製プラントという実績が得られています。この今までに類を見ないヘリウム精製施設は、膜と圧力スイング吸着(PSA)技術のハイブリッドプロセスを使用しています。新プラントは、粗製ガス25万m2/日を精製処理し、99.999%の純度の工業用品質のヘリウムを生産しています。

 国際的なプラントエンジニアリング事業のリーディングカンパニーとして、リンデエンジニアリングは、世界中に4,000を超えるプラントを提供してきました。

 エボニックのリソースエフィシエンシーセグメントの高性能ポリマー事業ラインは、非常に広範な分野で新たな資源効率の高い開発を可能にする高性能ポリマーを、50年以上にわたって開発・生産しています。

 

リンデグループ
2015年会計年度は、リンデグループでは約65,000人の社員が全世界100ヶ国以上で働き、世界でも有数のガスおよび技術のリーディングカンパニーの一つとなり、179億4400万ユーロの収入を計上しました。リンデグループの戦略は、長期的な利益をもたらす成長をめざし、将来を見据えた製品やサービスによる国際的なビジネスの拡大に焦点を当てています。リンデは、世界中の地域や場所で、株主、取引先、社員、社会、そして自社の事業分野一つ一つにおける環境に対して、責任ある役割を果たします。同社は、お客様の価値と持続可能な開発という目標を合わせ持つ技術や製品に取り組んでいます。

 

詳細については、リンデグループのオンラインサイトwww.linde.comをご覧ください。

西 直子(にし なおこ)

ダイセル・エボニック株式会社

マーケティング部