プレスリリース

ポリプラ・エボニックの「PURAMEM®」膜 新たなバイオディーゼル精製プロジェクトに採用

2023年09月12日

  • バイオガス分離膜PURAMEM®(ピュラメムTM)
  • 精製前のバイオディーゼル(分離前)
  • 膜分離で精製後

ポリプラ・エボニック株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:金井 産(かない ただし))の耐溶剤分離膜「PURAMEM®」(ピュラメムTM)が、パートナー企業であるRITA株式会社(本社:東京都新宿区、 代表:北川 悌也(きたがわ よしや)との連携にて、新たなバイオディーゼル精製プロジェクトに採用されました。これは国内における2件目の導入事例です。

エンドユーザー(採用企業)は、産業廃棄物処理よび収集運搬、環境コンサルティングを本業とする一方、近年は廃食用油を回収しバイオディーゼル燃料の製造販売事業を行っております。事業の拡大と成長にともなって、既存の減圧蒸留での生産システムが律速となってきました。幾度かのパイロット試験を経て、PURAMEM®膜による分離システムが既存システムより約17倍もの生産性を向上する事に成功し、採用を決定されました(年間精製能力1,200kL)。分離膜による精製装置は2024年初めの設置、同年4月の稼働を予定しています。

バイオディーゼルは植物油(または廃食用油)、動物油脂またはリサイクルされたグリースを原料として、エステル交換反応により製造された軽油代替のバイオ燃料です。軽油代替として、カーボンニュートラルの考えに基づき、CO2の排出量を抑制でき、SDGs実践に貢献できます。バイオディーゼルの品質は原料によって異なり、適切な前処理プロセスを行う事が重要です。バイオマス資源が少ない日本では、廃食用油は有効な資源として注目されており、回収してバイオディーゼル燃料化する事業は少しずつ普及し始めています。廃食用油を有効にリサイクルするため、食料需給への影響もありません。

この度の事例では、一度は食用油として製品化されたものをリサイクルして、原料として使用するので、膜の目詰まりを起こす大きな固形物を含まず、PURAMEM®膜の適合性が非常に高い事は予想されていましたが、パートナー企業のサポートを受け、採用と受注に繋げられた事で、これを実証することができました。

膜分離は最も省エネで生産性の高いシステムであり、サステナブルな社会の実現を目指し、パートナー企業とともに将来の持続可能な社会構築に貢献できるよう、今後も展開を広げていきます。ポリプラ・エボニックでは引き続きお客様へのきめ細かな技術サポートを行って参ります。

 

分離膜PURAMEM®(ピュラメムTM)の利点:

精製工程にPURAMEM®膜を使用する事で、殆ど全ての不純物を除去する事に成功し、非常に高品質なバイオディーゼル燃料(FAME=脂肪酸メチルエステル 99%以上)を達成する事が出来ます。さらに、蒸留システムを用いない為、熱分解する事なく、高い収率で製品化する事が可能です。また、膜分離法は、燃料を高温処理する事がないので、危険性もなく安全かつ安価なプロセスです。

 

* PURAMEM®(ピュラメムTM)はエボニック インダストリーズ社の商標であり日本販売元はポリプラ・エボニック株式会社です。