ニュースプレスリリース
NEWリリース2022.08.22世界初、分離膜を用いたバイオディーゼル燃料の不純物除去、画期的な商業ベースの精製装置を開発
室町ケミカル株式会社(本社:福岡県大牟田市、代表:青木 淳一)は、水光技研株式会社(本社:福岡県春日市、代表:新原 政喜)、有限会社健製作所(本社:福岡県朝倉郡筑前町、代表:松原 健)、RITA株式会社(本社:東京都新宿区、代表:北川悌也)、ポリプラ・エボニック株式会社(本社:東京都新宿区、代表:金井 産 かない ただし)の4社とバイオディーゼル燃料の精製装置を共同で開発しました。
フィールドテストの実施場所として、西田商運株式会社(本社:福岡県糟屋郡新宮町、 代表:西田 眞壽美)ご協力のもと、実証評価およびデータ収集に取り組み、新技術の開発が完了しました。耐溶剤分離膜を用いた、不純物の少ない高品質のバイオディーゼル 燃料を製造する精製装置を開発し(特許出願中)、2022年9月に上市を予定しています。従来の“蒸留法”と比べ、エネルギーの消費が少なく環境にも優しい精製法です。
開発の経緯
国内では化石資源利用の低減やカーボンニュートラル化(CO2排出量削減)の観点から、使用済みの食用油(廃食用油)を原料とし、バイオディーゼル燃料を製造、軽油の代替品とする事業が数多く存在します。
この廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油の代替として車に使用した場合、原料由来からくる遊離脂肪酸や製造過程で発生する遊離グリセリン等の不純物が原因で、マフラーが目詰まりする等、多くの不具合が発生しており、問題になっています。その問題の解決方法として、バイオディーゼル燃料の高品質化を目的とした蒸留法により不純物を除去する方法、装置がありますが、燃料の蒸留という危険性、製造能力(収率)やコスト(高エネルギーが必要)に問題がある為、限定的な採用に留まっています。
これらの問題を解決するために開発チームを立上げ、従来にない画期的な方法で不純物の除去に挑みました
バイオディーゼル燃料
パーム油・大豆油・菜種油・ひまわり油等の植物由来の油、藻由来の油、もしくは各種廃食油等からエステル交換反応により製造される軽油代替の燃料をバイオディーゼル燃料と称します。自動車、船舶等軽油の代替として燃焼機関側を変更することなく、軽油と混合、もしくはバイオディーゼル燃料100%でも使用可能です。
課題:バイオディーゼル中の不純物
バイオディーゼル燃料の製造過程における十分な水洗、分離、脱水を行なった後でも残留する未反応物質や遊離脂肪酸等が、不純物としてバイオディーゼル燃料中に残留していると考えられます。また、廃食用油を原料として製造したバイオディーゼル 燃料は酸化された遊離脂肪酸が多く含まれ、着色の原因ともなり、不純物としてバイオディーゼル燃料に混入すると考えられます。
解決策:*耐溶剤分離膜PURAMEM®によるバイオディーゼルの高純度精製
溶剤分離膜を用いた特殊な精製工程を経ることにより、不純物の少ない高品質のバイオディーゼル燃料を製造することができます。この精製方法は、バイオディーゼル燃料の精製処理として一般的な蒸留法と比べて、高品質、高収率、安価、安全な特徴があります。
◆高品質… エステル分 向上(94%→99%、※不純物除去)により、高品質なバイオディーゼル燃料を製造
◆高収率… 蒸留法の収率75%に対し、分離膜法では90%の高収率を実現
◆安 価… エネルギーコストの低減により、蒸留法と比べて安価な精製処理が可能
◆安 全… 分離膜法では、蒸留法のように燃料を高温(数百℃)にする危険性がなく安全
精製したバイオディーゼル燃料は、不純物を除去していますので、ほぼ透明になっています。
導入方法
バイオディーゼル燃料のサンプル提供を受け、ラボ試験、パイロット試験を経て、実機装置導入を提案します。
バイオディーゼル燃料の精製装置、および製造装置プラントについても提供することが可能です。
室町ケミカル株式会社について
【会社概要】
社名:室町ケミカル株式会社
本社所在地:福岡県大牟田市新勝立町1-38-5
代表取締役:青木 淳一
設立:1947年7月
事業内容:医薬品製造業、健康食品製造業、イオン交換樹脂の
販売・処理、給排水処理装置の設計・販売、尿素水(AdBlue®)
の製造業、機能性接着剤製造業
HP:https://www.muro-chem.co.jp
*PURAMEM®(ピュラメムTM)はエボニック インダストリーズ社の登録商標であり日本販売元はポリプラ・エボニック株式会社です。
以上