ニュースプレスリリース

NEWリリース2017.05.16自動車向け量産用コンポジット材料の新テクノロジー

 

~ 複雑な複合成形部品を大量生産するために ~

 

プルプレス(PulPress)方式により複雑な成形部品の
大量生産が可能に

既存の軽量構造生産方式と比べて最大60%のコスト削減を実現

初期部品をそのまま大量生産することが可能

 

 自動車業界は、車両の軽量化と二酸化炭素の排出量の削減手段として、ますます複合材を重要視するようになっています。しかしながら、複合材の生産方法が高価で複雑なことから、これまでラグジュアリークラスの車両に多く使用されてきました。しかし、エボニックが新しく開発したプルプレス方式によって、この状況を解決することができます。ハイエンド市場から大規模生産まで、この技術によってリーズナブルな価格で複雑な成形部品を大量生産することが可能です。

 

 このプルプレス方式は、圧縮成形と引抜成形という従来の2つの生産技術の組み合わせです。これらの技術を組み合わせることで、複合部品の連続的な自動生産が可能になります。本プロセスでもっとも重要な材料がロハセル(ROHACELL®)です。ロハセルは、軽量かつ剛性の高い材料としてそのメリットが実証されている高機能構造のコアに用いる発泡体のことで、複合部品形状の保持に優れており、かつ高耐熱です。樹脂を含浸させる前にコアの周りで繊維を織り込み、その後、部品としての形状になるように高温、高圧下で圧縮されます。本方式はさらに、複雑な形状の生産や、ネジや他の部品のためのくぼみを一括で成形することが可能です。

 この新しい製造プロセスにより、設計の柔軟性とコスト効率の高さを実現するだけでなく、従来の鋼鉄構造のものより約75%も軽い複合部品は優れた耐衝撃強度を保持します。更に、このプルプレス方式は、従来のレジンインジェクションなどの方法で製造される複合部品と比べて、最大60%のコスト削減を実現します。エボニックのリソースエフィシエンシー部門で新規アプリケーション担当マネジャーを務めるシヴァクマラ クリシュナムーシーは、「この方式の利点は、欧州の自動車業界の数多くのお客様によって既に実証されています。プルプレスで製造された成形部品は、すぐに大量生産に入るでしょう」と述べています。

 

本プロセスは、自動車業界以外の製造業者にとっても興味深いものです。例えば、大量の部品を生産するためのコスト効率の高い方法として、航空機の製造に利用できます。他にもスポーツ設備分野においても、軽量サンドイッチコアがますます重要になってきています。

 

プルプレス方式は3月14日から16日にパリで開催されたJECワールドにて紹介されました。

*このリリースは2017年1月23日にエボニック リソース エフィシエンシーGmbHよりリリースされたものの和訳です。

 

* ROHACELL 日本販売元はダイセル・エボニック株式会社です。
(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:アンドレ・ノッペ)

 

尚、ダイセル・エボニック株式会社は下記の展示会にプルプレス方式のロハセルサンプルを出展いたします。

 

人とくるまのテクノロジー展2017横浜
【会期】 2017年5月24日(水)~5月26日(金) 【ブース】 156

 

人とくるまのテクノロジー展 2017 名古屋

【会期】 2017年6月28日(水)~6月30日(金) 【ブース】 100

 

※ワークショップ開催 横浜(5/26)、名古屋(6/29)

「ダイセル・エボニックのエンプラと軽量化技術」 

講師: テクニカルセンター所長 六田 充輝(むつだ みつてる) 

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構造発泡体のロハセル(ROHACELL)のプルプレス方式で作られた複合部品は、従来の鋼鉄構造部品よりも約75%軽量化されています。