このプレスリリースはエボニック　インダストリーズ社が2023年2月24日に発表した文章であり、
そのメンブレン事業を日本展開するポリプラ・エボニック株式会社による和訳です。

 

•  　世界のガス市場における最先端技術

•     バイオガス、窒素、水素の分離精製における力強い市場の成長

•  　持続可能なガス経済の推進力となる「次世代ソリューション」

エボニックは、持続可能なガス経済に向けてエネルギー部門の脱化石化をオーストリア、シェルフリングにて進めています。オーストリアのシェルフリング・アム・アターゼーにガス分離膜用の新しい中空糸製造工場を立ち上げました。新しい生産能力により、バイオガス、窒素、水素および天然ガス用途におけるSEPURAN®（セプランTM）膜の力強い継続需要に応えることが可能です。エボニックは新工場に数千万ユーロ台の投資を行い、シェルフリングで約30人の新規雇用を創出しました。

 

サステナビリティ戦略に沿った最先端技術

 スマートマテリアルズ部門の責任者であるローレン・ケルセン氏は、「メンブレン（分離膜）事業成長の道筋は、グループの新しいサステナビリティ戦略に明確に則している」と述べています。昨年5月、エボニックは2030年までに、持続可能性に優れた製品である「次世代ソリューション」に30億ユーロを投資する計画を発表しました。「次世代ソリューション」の売上を現在の37%から2030年までに50%以上に増やすことを目指しています。「次世代ソリューション」に対する急速な需要増は、エボニックに市場の平均を超える成長の可能性をもたらします。「当社のイノベーションにより、お客様が自社製品をより持続可能なものにし、お客様のカーボンフットプリントの改善をサポートします。効率的なガス分離のための当社メンブレン技術は、エボニックの『次世代ソリューション』がすべての市場プレーヤーと緊密に協力し、持続可能な付加価値にどのように貢献しているかを示す生きた例です」とケルセンは述べています。

 新しい生産工場では、高機能樹脂がいくつかのプロセス工程を経て微細な中空糸に加工されます。これらは、エボニックのSEPURAN®メンブレン技術の心臓部です。当社は、高分子化学における長年の専門知識を活用し、基材である高機能樹脂の開発段階で、すでに主要な膜特性を調整し、極端な圧力と温度に耐えることができ、ガス分離性能に優れた堅牢な膜を製造しています。

 

持続可能なガス経済の推進

「世界のガス市場は、当社のメンブレン技術に信頼を寄せています。シェルフリングの生産能力拡大というメッセージは、お客様とパートナーに対して、持続可能なガス経済へのエネルギー移行を加速させるというエボニックのコミットメントを示す重要なシグナルとして発信しています。将来のエネルギーミックスは、バイオガス、グリーン水素、および更なる合成化学品になると考えています。当社は既に、この変革期における市場成長のために、製品ポートフォリオと生産能力の拡大に取り組んでいます」と、エボニックのメンブレン　イノベーション　成長分野部門の責任者であるゲッツ・バウムガルテン氏は語っています。

 エボニックはすでにシェルフリング・アム・アターゼーでの分離膜製造を完全なる再生可能エネルギーで賄っています。風力、水力、バイオマスからのグリーン電力は、長年にわたり生産施設の重要なエネルギー源となってきました。また、2022年の初めからは、製造に必要なガス需要を地産のバイオメタンで100%満たしています。環境にやさしいエネルギー供給に切り替えることで、エボニックはオーストリアでの直接的な年間CO2排出量を約4,000トン削減しています。

 

10年でスタートアップからテクノロジーリーダーへ

 エボニックは、メンブレンを6つのイノベーション成長分野の1つにあげています。開始10年で当社はガス分離膜の世界的な技術リーダーになりました。SEPURAN®中空糸膜は、メタン、窒素、水素などのガスを混合ガスから分離するのに非常に効率的です。エボニックのメンブレン技術は、より精密なガス分離とより高い生産性を得意としています。　

 効率的な窒素生成のためのSEPURAN® N2膜は、例として飛行機の燃料タンク内の不活性化に使用されています。SEPURAN® Noble膜は、天然ガスパイプラインで輸送されるメタンと水素の混合ガスから特定のポイントで水素を抽出します。SEPURAN® NGは、CO2濃度の高い天然ガスからの効率的な分離を可能にします。
 SEPURAN® Greenは、有機および循環型供給源からの効率的なバイオガス分離
処理を可能にします。

 

*SEPURAN®（セプランTM）はエボニック インダストリーズ社の商標であり日本販売元は
ポリプラ・エボニック株式会社です。